- 日本ではプロ野球、アマチュア野球に限らずノーボール・2ストライクと追い込んだ次の1球を大きく外すシーンをしばしば見かける事があります。
なぜ、投手が圧倒的に優位と思われるノーボール・2ストラクからボール球を投じる必要があるのか?
皆さんは考えたことはあるでしょうか?
かくゆう私も少年野球時代に打者の胸元高めやアウトローにウエストボールを投げるよう指導を受けて来ました。しかしながらコントロールミスで甘く入った高めの球を痛打される事も少なくありませんでした。
監督・コーチが言う事だから(素直な当時の私は)何の疑いも無く投じていましたが、それから何10年もキャリアを積んだ今、疑問にぶち当たりその理由について調べてみました。
もしかしたらその理由に驚く人もいるかもしれません。
ノーボール・2ストライクからボール球を投げる理由
結論は「日本の昔からの悪き習慣が脈々と受け継がれて来た」ということです。
起源は読売巨人軍の黄金期とされるV9(昭和40年〜昭和48年)時代に遡ります。
当時の読売巨人軍監督の川上監督時代に0ボール2ストライクと追い込んだ後の3球目に打たれた場合、ペナルティー(罰金制度)があったようです。
明確な理由はよくわかりませんが、投手が絶対的優位な状況から打たれた時の印象が非常に悪いということが耳にしたことがあります。それがホントの理由ならちょっと耳を疑う理由ですね。
それが誠か嘘かは置いておいて、当時絶対的強さを誇っていた巨人軍がやっていたことが、その当時は最先端の戦法としてプロ野球他球団やアマチュア野球、少年野球の指導者達に広まったのではないかと考えられます。
ノーボール・2ストライクからボール球を投げる目的
上記で述べた理由が正しいのであれば、プロ野球選手が1球外す目的は「罰金を払いたくないから」という事になります。(なんか夢がない話ですね)
では、罰金制度がないアマチュアや学生・少年野球の選手たちは?
何の目的もなくただボール球を投じていることになってしまいます。
もしかしたら監督・コーチなどの指導者の中には、3球勝負で打たれた投手や捕手を叱る人もいるかもしれません。そのような場合は、「監督・コーチに叱られたくないから」という目的になるかもしれないですね。
大人は罰金、子供は怒られたくないから。
結局どちらもペナルティーを受けたくないからということですね。
しかし後付けの目的になるかもしれませんが、全く意味がないということもありません。
それは次の章で少し触れたいと思います。
追い込んでからボール球を投げるメリットとは?
先程まで述べて来たのは明確な目的が無い場合における話でした。
3球勝負とは話がそれますが、スクイズを阻止するケースや盗塁捕殺を補助するケースなど、意図的にボール球を投げる事があります。これらは明確な目的(青字アンダーライン部)があります。
それと同じように打者を討ち取る為の戦略(インサイドワーク=配球)として、4球目以降に投じる球の布石として、4球目に投げたいコースと対角線上に投げたり、緩急を付けたりと、しっかり目的を持った配球の1つとして使うケースにおいては意味のある1球となります。
但し、これは捕手の深いインサイドワークの知識や投手の高い制球力が有ってこそ成り立つもの。
かなりのレベルに達していないと実際は難しいテクニックかと思います。
少年野球で指導するレベルではないですね。
それよりもっと他の事(今以上にスピンの効いた球や強い球を投げる)を伸ばして欲しいです。
まとめ
追い込んでからの1球外しはベースボール発祥の地であるアメリカMLBでは、意味のない無駄球と認識されているようです。
ノーボール・2ストライクから1球ボール球を投じる習慣は、昔の日本で生まれた悪き習慣。
バッターを打ち取る為に意味のある1球では無いことをご理解頂けたかと思います。
特に将来ある少年達や中学生、高校生の投手や捕手の皆さんには、是非参考にして頂き気持ちの良い3球勝負を繰り広げてもらいたいと思います。
ややこしい事は抜きにして、打者の立場から考えるとノーボール2ストライクから勝負される方が絶対に嫌ですけどね。
以上
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