草野球や少年野球チームの監督やコーチの方で、どの様にバントを教えれば良いかお悩みの方は居ませんか?
簡単そうでやってみると意外と難しいバントですが、実はあるポイントをしっかりと抑えれば簡単にバントが上達するのです。
バントが苦手な人の共通点
私はこれまでの長い野球経験(30年以上)の中でバントが得意な人と不得意な人とを見比べ、ある事に気付きました。
それは、バントが不得意な人は、無駄な動きを行なっているという点です。
わざわざ成功率を下げるような動作を行なっています。
例えば、ボールが来るまでにバット上下左右に動かしたり、ボールの勢いを殺す為にバットにボールが当たる直前にバットを引いてみたり・・・。
バント上達の考え方
私はこのような無駄な動きを一つずつ取り除けばバントが上達するはずだと考えました。
バントが上手な人って、いとも簡単に成功させると思いませんか?
なぜ簡単に見えるのか?
それは無駄な動きを一切行なっていない為です。
私が在籍するチームには、社会人になってから野球を始めた人が在籍しています。
その野球素人に無駄な動作を排除したバントの基礎を徹底的に教え込みました。
するとメキメキと上達していきました。
野球歴が長い他の選手をあっという間に追い越してしまいました。
元々変な癖が付いていない分、吸収し易かったのかもしれませんね。
因みに私は学生時代からバントが得意な方でしたが、自らを実験台として試行する中で成功率が格段に上がりました。
ここでご紹介する方法は、全て独自の理論に基づく方法(コツ)なので、常に以下のポイントを意識して取り組めば誰でも上達するはずと確信しています。
また、意識するポインが明確である為、何が出来ていないかチェックする事ができるメリットがあります。
自分で気付くのは勿論のこと、チーム全体で取り組めばチームメイトからもアドバイスしてもらえるようになることでしょう。
バント上達のチェックポイント
バットは地面と水平に保つ
バントが不得意な人達に何故バントが難しいのか聞いた結果、大勢の人達から返ってきた答えがあります。
それは
ボールが顔に当たるのが怖い
という「恐怖心がある」ことでした。
一度恐怖心を持ってしまうと腰が引けたり顔とバットが離れてしまったりし、姿勢が乱れて良い結果に結び付くことが困難な状況となります。
それを解決するのが、バットを地面と水平に保つ 事です。
バットを水平にさえ保っておけば、バットの真後ろに顔をもっていかない限り、100%顔にはボールが当たる事はありません。
一番ダメなのが、バットのヘッドを起こしてしまう事です。
ヘッドを起こしてバントし損ねた場合、顔目掛けてボールが飛んで来る可能性があります。
逆にヘッドが下がると顔には飛んで来ませんが、ファールになったりフライになってしまう事があります。
ヘッドを立てるよりはヘッドが下がる方がマシですよ。
バットを 水平に保つ事で顔に絶対に当たらないことを理解してもらい、恐怖心を取り除くことが第一歩となります。
狙う方向と垂直にバットの面を向ける
一塁線上に転がしたければバットの面を一塁線と垂直に、三塁線上に転がしたければバットの面を三塁線と垂直になるように予め角度をつけておきます。
ここでのポイントは、構えた時からボールがバットに当たるまで絶対に角度を変えないという事です。
よくボールがバットに当たる瞬間にバットを引いたり押し込んだりして角度を調整する人がいます。
おそらく過去にそのように指導されたのでしょう。
しかし、それは間違っています。
ボールがバットに当たる瞬間にバットを動かしながら角度をピタリと合わせることは至難のワザです。
ですので、最初から転がしたい方向に角度を付けて待って居れば良いのです。
バッターボックス内で角度を確認する目安としては、一塁側にバントする場合は三塁線ファールラインの延長線上、三塁側の場合は一塁線ファールラインの延長線上にバットが一直線となるように角度を作れば分かり易いと思います。
1つ目の無駄な動作は、バットに当たる直前に角度を変える動作です。
ボールが転がる勢いを吸収しない
バットに当たる瞬間にバットを引く事によってボールの勢いを吸収しようとしてませんか?
大抵の人はこの動作を行なっている様に思います。
私もそうでしたが、過去の指導者から何度となく教えられた誤った方法です。
バットに当たる瞬間に角度を変えると思い通りの方向へ転がす事が難しいだけでなく、転がる勢いもバラツキが出てしまいます。
ほんの一瞬で角度と丁度良い打球の勢いで転がす事が出来る人は、殆ど居ないのではないでしょうか?
では、どの様に勢い殺すのか?
丁度良い打球の勢いにする為には何が必要なのか?
その方法とは、予め角度を保ったバットの芯に当てるだけです。
芯に当てれば勢い良く転がってしまう思うかもしれませんが、作用反作用の法則を用いれば、バット当たった瞬間に自然と勢いを吸収してくれるのです。
右バッターの場合、左手はグリップに添えて水平を保つだけです。決してガチガチに固定しないことがポイントです。
2つ目の無駄な動作は、ボールの勢いを吸収する為に自ら敢えてバットを引く動作です。
バットと目線の高さを合わせる
出来るだけバットと目の高さを合わせて下さい。
ボールとバットと目の高さが一直線上になるように。後ろから覗き込むようなイメージです。(実際にはバットより少し目の高さが上になる程度)
これが出来るようになれば、バットにボールが当たる上下位置のブレを最小限に抑える事が出来、バットの真下にバウンドしたり、ポップフライなどの失敗バントの確率が下がることになります。
稀にバットと目線の高さが大きく乖離しているにも関わらず、高確率で綺麗に転がす事が出来る人がいますが、失敗が少ないなら、強制的に目の高さと合わせなくとも良いと考えてます。
あくまでも綺麗にバットの芯で捉える確率を上げる手段としてお考え下さい。
上下の高さ調整は膝で調整する
これは誰もが教えられた事があるのではないでしょうか?
分かっているけど中々実践出来ている人は少ないと思います。
しかしこれは非常に重要です。
膝で高さ調整をしない場合、どんな事が起こるでしょうか?
おそらく腕だけで高さの調節をしている人が周りに居ませんか?
腕だけでバットに当てにいこうとすると、ヘッドが上がったり下がったりしますので、最初に述べたバットを水平保つ事が出来なくなります。
ヘッドが上がると顔に向かってボールが飛んで来る可能性があり、逆にヘッドが下がるとフライになり易くなります。
目線とバットの高さの乖離が広がると、芯で捉える確率が下がります。
膝で高さの調整をする事で上半身の形を崩す事なくバントすることが出来ます。
まとめ
全て網羅されている訳ではありませんが、バントの世界記録保持者である元巨人軍の川合選手の動画にこのブログで言いたかったことが含まれていますので、是非参考にしてみてください。
簡単に出来るようになるとは言いましたが、体にバントの形を覚えさせる必為には反復練習が必要です。
また、周りの人が上記したどのポイントが出来ていないかを指摘してあげる事で、気付きが得られる為、チーム全体で取り組むと更に効果的です。
自分では出来ているつもりだけど、出来ていないことがあるので周りの人にチェックしてもらいましょう。
以上
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