今回は投手のテクニックのひとつである「クイックモーション」について考察してみました。
試合でよく盗塁されるあなた!
キャッチャーの肩が弱いことや送球までの動作が遅いことなど、キャッチャーのせいだと思ってませんか?
もちろんキャッチャーにも原因があるかも知れませんが、投手にも原因があるケースが多くあります。
プロでもアマチュアでも同じ事ですが、なぜ草野球においてクイックモーションが重要なのかを紐解いて行きたいと思いますので、是非最後まで目を通してみて下さい。
クイックモーションとは?
さて、クイックモーションとはどの様な投球動作でしょうか?
「クイックモーションとは、投手が投球動作を小さく素早くすることで盗塁を防ぐ投法のこと」
と、Wikipediaに記載されています。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/クイックモーション
(Wikipediaより引用)
MLBではスライド・ステップ(slide step)と呼ばれている様に、足を大きく上げずに横へスライドさせることで投球の始動からボールをリリースする迄の時間を短縮するのが一般的です。
中にはテイクバックを普段よりも小さくする投手もいます。
クイックモーションが発展した背景
クイックモーションはどこでどのようにして生まれたのでしょうか?
この日本(NPB)が発祥の地です。
元々肩が強い方では無かったのに加え、晩年は肩の故障も重なり、万全ではない状態の中で福本豊選手の盗塁を防ぐために投手の投球動作に目を付けたそうです。
MLBではキャッチャーの肩が強く、今でも捕手に任せる傾向が強く残っており、クイックモーションはあまり重要視されていません。
それに対して日本ではMLBのキャッチャー程肩が強い選手が少ない為、盗塁阻止は投手と捕手の共同作業という考えが一般的です。
従って日本でクイック投法が発展し根付いてきました。
クイックモーションの目的
以下の3点がクイックモーションを行う目的です。
・盗塁抑制
・打者のタイミングを外す
盗塁阻止
ランナーが盗塁されても2塁、3塁上でアウトにする。
盗塁抑制
クイックモーションがある事を相手チームに認識させることで、盗塁させない(走らせない)。
打者のタイミングを外す
打者のに対して投球モーションを変える事でタイミングを外す。
クイックモーションの欠点
クイックモーションには大きな欠点と言われている事が2つあります。
・制球力が落ちる
球威が落ちる
通常より足を上げない(打者寄りの足をスライドする)為、軸足に体重が乗り難く、力が逃げてしまう事がある。
制球力が落ちる
通常とは異なるテンポやタイミングでテイクバックからリリースを迎える為、リリースポイントがバラツキ易い。
クイックモーションが重要な理由
近年の軟式野球ではボールがM号球に変わってから、攻撃スタイルも大きく変わって来ました。
レベルが上がる程「投高打低」が顕著でしたが、そのバランスが崩れてきました。
とは言え、まだまだ最小得点差による僅差のゲームが多いのも事実。
どのように進塁するかを考えた時に、盗塁は主要な戦略のひとつとなります。
「盗塁」は守備側からすれば送りバントとは異なりアウトカウントを増やすことができずに進塁を許すこととなる為、大きなピンチに繋がり易いもの。逆に盗塁を阻止できれば、アウトカウントが増え、ピンチを脱することができます。
攻撃側の監督やランナー目線で考えると、投手がクイックモーションをしていなければ盗塁を試みる機会が増えるでしょう。しかも、簡単に盗塁できると判断された場合、ランナーが出る度に盗塁され、一方的なゲーム展開に成りかねません。
従って、「盗塁阻止」も大切ですが、私は「盗塁抑制」(走らせない)事が重要だと認識しています。
投げ方と上達のポイント
球速を損なわない為に「効率的にボールに力を伝えること」がポイントです。
★前足の使い方
★パワーポジションの作り方
プロ野球選手のお手本
文字で読むよりやはり見た方がイメージできると思いますので、プロ野球選手のクイックを幾つかご紹介します。
久保康友(超速)
菊池雄星(左腕)
千賀滉大(スローモーション)
まとめ
クイックモーションは、ゲームの勝敗を左右する1つの要素(武器)となり得る大切なテクニックです。
目的は以下の通り。
★盗塁抑制(走らせない)
★打者のタイミングを外す
投げ方を理解しただけでは直ぐに身に付くものではなく、繰り返し練習が必要な難易度の高いテクニックです。
勝てる投手となる為、更なる成長を遂げる為に是非身に付けたいものです。
以上
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