イチロー現役引退を発表!そして今までありがとう

球界通信
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2019/3/20 東京ドームで行われたシアトルマリナーズvsオークランドアスレチックとのMLB開幕第2戦試合終了後にイチロー選手が現役引退を表明しました。

1991年にNPBの当時オリックスブルーウェーブにドラフト4位で入団して以来約19年間、プロ野球選手として数々の記録を残し現役生活に終止符を打つことになりました。

2018年3月 MLB開幕直前にそれまで契約が決まっていなかったイチロー選手がシアトルマリナーズと契約を結ぶことが決まり、それから約1ヶ月後の5月初旬に過去に前例がない異例の「会長付球団特別補佐」という聞き覚えのないポストに就任した。そのシーズンは試合に出場できない以外は今まで通り一軍に帯同し、練習に参加し、来年度以降の出場機会に備えてトレーニングを行うというもの。若返りを図ろうとしているチームにとってのお手本といった役割だったのだろうか。

私の個人的推測ですが、マリナーズはイチロー選手と再契約を結ぶ時点でこの東京ドームでの2019年開幕戦をイチロー選手の引退試合としての大舞台を計画し、球団に大きく貢献してきたイチロー選手への現役選手としての最後のはなむけとしたのではないかと思いました。

マリナーズの粋な計らいは日本人ファンにとっても大変嬉しく思う反面、マリナーズで引退する以外に日本球界への復帰の選択肢がイチロー選手の中にあって欲しかったというのが我々イチローファンの率直な気持ちです。一説によると第2の故郷と公言している神戸に球団があれば、日本球界復帰の可能性もあったとか。

ファンとしては、公言していた「50歳まで現役」を有言実行してもらいたかった。日本でなら実力的にもそれが実行できたと思えるだけに、イチロー選手のプレーが見られなくなるのは本当に残念でなりません。

思い返せば1993年に日本で初めて「イチロー」という苗字無し名前で選手登録され、当時誰もなし得なかった年間200本安打を記録し、一気にスター選手となりました。

イチロー選手の代名詞とも言える首位打者のタイトルを7度に渡って獲得、他にも数々の記録を引っさげて、2001年に日本人野手として初めてのメジャーリーガーの誕生となりました。

引退会見でも話をしていましたが、入団当時は日本人プレイヤーは今ほど受け入れ貰えず苦労したとか。そこから一歩一歩結果を積み重ねた結果、アメリカ人にも認められる、正真正銘のスーパースターに上り詰めたことは皆さんご存知の通りだと思います。

世界中から実力者を集めたスーパースター軍団の中で、それまでPOWER重視が常識だったアメリカの野球感を覆し、細身の身体からスピード感溢れるプレイスタイルをメジャーリーグに浸透させました。大きな男達を手玉に取るかのようにアメリカの地でも多くの世界一の記録を打ち立てた事は、(おこがましいですが)同じ日本人として最高に誇らしく、日本の野球が世界でも通用する事を証明してくれました。事実2006年に初開催となったワールドベースボールクラシック(WBC)ではイチロー選手を始めとする日本を代表する選手達が集結し、侍JAPANが結成され、見事初代王者となる優勝に輝きました。当時の興奮は今でも鮮明に覚えてます。

残した成績だけ見ると順風満帆に見えますが、NPBからMLBを通して常にプレッシャーと戦う苦しい日々を過ごしていたというのが印象的です。引退会見では日本で成績を残し始めた頃からその苦しみと常に戦っていたとのことで、野球というスポーツを誰よりも(世界一)愛し、誰よりも真摯に向き合い、誰よりも頂点を極めようとしたが為にそのような言葉が生まれたのではないかと思います。イチロー選出が引退会見で発した「野球を愛している」とう言葉が重く、軽々しく使えるものではないと感じました。

イチロー選手が最も凄いと思えるところは、走攻守全てのプレーが最高レベルであることです。打っては世界一のシーズン安打数を記録、走っては盗塁王のタイトルを獲得、守っては日米で何度もゴールデングラブ賞を受賞するなど野球というスポーツを丸ごと全て突き詰めています。更にそのパフォーマンスを維持するために誰よりも早く球場入りし、念入りな準備を行っていたことは誰もが知る事実です。

毎日同じ準備を繰り返すことにより、その日その日の自分の身体のチョットした変化に気づき、その違いを理解した上で試合でアジャストする能力がある。誰もが思いもよらなかったことを当たり前のように続けてきた持続力も凡人では真似できるものではありません。人生の全てを野球に注げてきたからこそ、野球をしているときだけではなく、野球をしていない生活の全てが野球の延長線上であったのかのように思います。

最後に、イチロー選手、これまで私たちファンに数々のプレーで記録で言動で行動で楽しませて頂き、心の底から感謝の意を表したいと思います。

これまでありがとうございました。
そしてお疲れさまでした。

ゆっくりと心身を癒し、またいつか新たな姿を見せてくれることを願っております。

以上

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